公務員はアパート投資できる？投資の条件とポイント

公務員は、国家公務員法や地方公務員法などの法令により、原則として副業は禁止されています。しかしながら、定められた条件内であれば、アパート投資などの不動産投資は副業扱いとならず、合法的に行うことが可能です。ここでは、公務員がアパート投資できるについてや、法律上の枠組みや投資が認められる条件、実際のメリット・注意点についてご紹介いたします。

法律上の背景と投資が可能な条件

公務員は、その立場上、営利目的の副業を行うと信用の失墜や本業への支障などのリスクがあるため、国家公務員法や地方公務員法により副業が制限されています。しかし、アパート投資については、以下の条件を守る場合、副業とみなされずに行うことが認められています。

保有規模の制限

• 独立家屋の場合: 5棟未満
• 区分所有（マンションなど）の場合: 10室未満

年間家賃収入の制限

投資により得られる家賃や駐車場収入の合計が、年間500万円未満であること。

管理業務の委託

入居者募集や家賃回収、修繕・清掃などの管理業務は、ご自身で行わず、必ず専門の管理会社に委託すること。

これらの条件は「人事院規則14-8」など具体的な規定に基づいており、条件内であれば公務員としての信用を保持しながらアパート投資に挑戦することができます。なお、相続や生前贈与、転勤など、やむを得ない場合には別途所轄部署への申請が必要となるケースもありますので、疑問がある場合は所属機関に確認することが重要です。

参照元：人事院（https://www.jinji.go.jp/seisaku/kisoku/tsuuchi/14_fukumu/1403000_S31shokushoku599.html）

公務員としてアパート投資を行うメリットと注意点

公務員がアパート投資を行う場合、公務員ならではのメリットがあります。ただし、同時に注意すべき点も存在します。ここでは、公務員としてアパート投資を行う際に得られるメリットと、事前に把握しておくべき注意点について解説します。

メリット

• 融資条件が有利：公務員は安定した収入と社会的信用があるため、金融機関から低金利で大口の融資を受けやすいです。これにより、投資資金の調達がスムーズになります。

• 本業との両立が可能：管理業務を管理会社に委託できるため、本業に専念しながら、アパート投資による副収入を得ることが可能です。

• 長期的な資産形成がしやすい：安定した運用と適切な節税対策（減価償却、経費計上など）によって、将来の資産形成や相続税対策にも有効です。

注意点

• 条件の厳守：保有規模や家賃収入が定められた条件を超えると、副業扱いとなり懲戒処分のリスクがあるため、物件選定や収支計画は慎重に行う必要があります。

• 管理会社の選定：管理業務を委託する際は、信頼性が高く実績のある管理会社を選ぶことが重要です。不適切な委託先を選ぶと、入居率の低下やトラブル発生につながる可能性があります。

• 申告と情報管理：アパート投資による収入は正確に申告する必要があります。確定申告を怠ると、無申告加算税などのペナルティが生じるほか、所得状況の管理についても注意が必要です。また、勤務先に知られるリスクを避けるため、情報管理には十分な注意が求められます。

まとめ

公務員は副業が原則禁止されていますが、定められた条件や保有規模、年間家賃収入、そして管理業務の委託―を守れば、アパート投資は合法的に行うことが可能です。公務員特有の安定した収入と信用を活かし、金融機関から有利な条件で融資を受けることができるため、長期的な資産形成や不労所得の獲得、さらには相続税対策としても注目されています。

ただし、投資を成功させるためには、細部まで条件を厳守し、信頼のおける管理会社の選定、十分な収支計画、そして正確な確定申告が欠かせません。投資の判断に迷った場合は、必ず上司や専門家に相談するなど、慎重に進めることが重要です。

このような対策を講じ、法令の枠内で計画的にアパート投資に取り組むことで、公務員でも条件を守ることで、比較的リスクを抑えた不動産投資に取り組むことが可能です。投資を検討される方は、まずは自身が守るべき条件を再確認し、実際の運用にあたって必要な手続きを確実に行いましょう。